はじめての学校法人会計
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はじめに 学校法人会計に関連して近年いろいろな動きがあります。大臣所轄法人については2020年度から計算書類の一般への開示が求められています。専門学校では職業実践専門課程の認定校に対して計算書類提出を条件に補助金交付を行う自治体がでてきています。また、幼稚園ではさまざまな制度改正により会計処理が複雑になっているなど、学校法人会計を十分に理解して正しい計算書類を作成することはますます重要になっているのです。 しかし、学校法人の方とお話していて強く感じるのは、学校法人会計がよくわからないとおっしゃる役員や経理関係以外の管理職の方が多いこと、経理業務に携わっている方でも自分が直接担当している業務以外の会計処理はわからないという方が多いことです。 学校法人会計は企業会計とは考え方が大きく異なっており、知事所轄法人の特例があるほか、さまざまな通知や実務指針等が積み重なっているため、全体を理解するにはそれなりの時間がかかります。 新しく学校法人会計の実務に携わる人や計算書類をチェックする立場の人が、学校法人会計の基礎的な知識を短時間で簡単に理解することはできないだろうか。そんな問題意識から本書は生まれました。 本書のもととなったのは一般社団法人日本経営協会の学校法人向けセミナー「初心者のための学校法人会計基礎入門」と「新任事務長のための学校法人会計マスター」の両テキストです。両セミナーは、学校法人の新入職員や経理業務に初めて携わる方、新任管理職として学校法人の計算書類を初めてチェックする立場の人に向けて、学校法人会計の基礎的な知識を身につけてもらおうという意図で現在も開催しています。

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