はじめての学校法人会計
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第3編 決算での処理・税金の取り扱い ●学校法人会計を難解にしている基本金基本金について、「会社の資本金のようなもの」という説明がされる場合もあります。もちろん学校法人の財政基盤となるという意味で、事業を始めようとするときに必要な「元手」ではあるのですが、性格はまったく異なります。基本金の定義等は後回しにして、学校法人を設立した場合と会社設立との相違をイメージしてみましょう。まず学校法人の場合です。現金で寄付金10,000を受け入れ、土地3,000、建物4,000、教育研究用機器備品(教備)900、管理用機器備品(管備)100の計8,000を取得し、すべて支払いました。また、人件費300を支払いましたが、教育研究経費50と管理経費150は未払いです。なお減価償却額は考慮しません。●貸借対照表をみてみるとこの時点で決算を迎えたらどうなるでしょうか。事業活動収支では収入が10,000、支出が300、50、150で500です。収入から支出を控除した基本金組入前当年度収支差額は9,500です。ここから基本金を組入れるのですが、取得した資産はいずれも学校法人が教育活動を行うにあたって必要な資産であり将来にわたって保有する予定のものです。そういった資産については基本金の対象資産とし、その取得額を基本金の額とします。資産の合計額は8,000ですから、基本金の組入額8,000となります。結果は右ページの図のようになり、繰越収支差額は1,500ですが、純資産は基本金と繰越収支差額の合計9,500です。では、会社の場合はどうなるのでしょうか。基本金ってなに②18-2186

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