日本の税制
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222第Ⅱ部 大和政権から奈良時代まで第Ⅱ部 大和政権から奈良時代まで⑵ 税 制① 『日本書紀』【個別の税】ⅰ.封戸(ふこ)の税○天武天皇*5年(676)4月14日 諸王,諸臣が賜わった封戸の(田)税(おおちから)は,京より西の国に賜わるのをやめて,京より東の国に替えて賜うこととする。 封戸の(田)税は,食封として賜わった戸からの収益をいうが,大宝・養老令制では調庸の全額と田租の2分の1が封主の収益となる。封主と封民との間の部曲制的な関係を,土地を変えることによって払拭しようとしたものであろう(坂本太郎他校注『日本書紀』下)。ⅱ.市の税・津の税○孝徳天皇*大化2年(646)3月22日 市司(いちのつかさ・市に出入りする商人より税を徴収する役人)や要路(ようろ)の津済(つわたり・港や河川の渡し場)の渡子(わたりもり・渡し場で通交税を取る者)が,人々から調賦(みつき・手数料)を徴収していたのをやめさせて,これらの人に田地(口分田)を与えて田租を徴する。 営業税,通行税については,まとめて後述する(262ページ)。ⅲ.男の身の調○孝徳天皇*大化2年(646)秋8月14日 およそ調賦は男の身による調とする。仕丁は50戸ごとに1人,国々の境界を見て文書に記すか,あるいは図に書いて持ってきて示せ。国や県の名は報告にきた時に定めることとする。国々の堤を築

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